1.《ネタバレ》 ホスト、金持ちの走り屋、オタク。3人のヘンな高校生グループの前に、空から大金と人間が降ってきた・・・。しょーもない人間が沢山出てきて金をめぐって右往左往という、ガイ・リッチーあたりを気取った感じなのでしょうけれど・・・うーむむ。まずはタイトルやDVDパッケージ裏の解説文からして全編疾走してそうな映画に思えますが、全然走ってません。物語が停滞しまくり。混乱劇を目指したのでしょうが、単に空回りするばかりで物語がなかなか前に進まないのは問題あり、と。それから、脚本・演出・そして多分編集上のミスが多数見られて、映画としてキチンと成立していないんですよね。金をドルからウォンに換金するシーンは換金しました、という映像が欠落しているため、単に昔の仲間に渡してしまったように思ってしまいました(DVDのチャプタータイトルで真相が判りましたが)。それからクライマックスで協力する事になる少女は存在する意味が全くなく、最後に彼女が全部持って行ってしまいました、ってオチがあって初めて彼女の行動の意味が出てくるのですが、そういうオチは描かれず。更に泥棒兄弟の兄は唐突に登場した感があり、それまでの記憶を整理すると、多分金庫番の男だろう、という事になるのですが明らかに説明不足(彼は1シーン、引きの画で見せているだけなので「誰?」ってなってしまうんですよね。刑事の上司?とも思いました)。金をゴミ清掃車に持っていかれるシーンの存在する意味はないですし、燃えてしまった金の出どころもハッキリせず(全額あるように見せかけてるの? これは説明欠落)、伏線のように思われるエピソードの数々は放りっぱなし。めちゃくちゃ難アリな物語でも、せめてパワーで押してゆけばなんとなく見られちゃうんでしょうけれど、ガイ・リッチーにはほど遠い野暮ったい映画ではありました。ところで3人が罪に問われてないのはなんで? 「存在しない金」であってもそれを持ち逃げして幾らか使ってしまった以上はねぇ。