1.《ネタバレ》 後半の方までどちらの言葉が真実を語っているのか、完全には明確にせずどちらにも展開できる様な描き方をしている。それはそれで面白いのだけれど、その所為で何とか電話を取ろうとするシーンや、トクダさんが異変に気付くシーン等に気が入らない。終始気持ちが宙ぶらりん。冒頭から、男が縛られた状態で眼を覚ましてその後数分位までが、少女の何となく落ち着きの無い立ち振る舞いや、何処か微かに歪んだテンションなんかにいつ何が起こるのかと思い、一番緊張感が有った。そもそもトクダさんのシーンはセリフ回しも何だか妙なんだが、まあいいか。虚勢シーンは、ビデオ設置説明のくだりと始める前に男が何故感覚の有無を気にするのか、と少女に聞き返すシーンで切らないなというのは解ってしまった。お陰で痛い思いをしながら見ずには済んだので良かったのだけれども。しかしこの映画そのものは何なのだろう。やはりこういった話にするのであれば、少女は悪しき社会が生み出してしまった怪物として、暴走するひとつの悪としてしっかり描くべきだと私は思うのだが、どうも演出に彼女にヒーローイズムを感じさせるノリがある様に感じてどうも面白くなかった。自害させるというやり方も如何にも”自ら罪を償わせた””彼女が殺人を犯した訳ではない”と主張されている様で非情に感じが悪い。性犯罪もそれを黙殺する事も許される事ではないけれど、その人間を関係者か第三者か解らない少女が絶対正義といったノリで一方的に追いつめて死なせてヒーローの様に去って行く話を、スタイリッシュ(ぽい)映像でまとめあげられても、正直どうかと思うぞ。2人の演技がなければとても見れた物になっていなかったと思う。エレン・ペイジは良かった。X-MENではあんなに可愛かったのに。個人的にはソーラ・バーチ以来のインパクト。