1.《ネタバレ》 中二病ヒロインと、ロリコンおやじの物語。
ヤク中のように怪しげに目がすわっているピーター・サースガードは、「フライトプラン」や「スケルトンキー」などタチの悪いペテン野郎役が多く、彼がヒロインと恋仲になった時点からこれを恋愛映画とは見ず、この映画のカナメは このオヤジがどれだけの大悪漢かを見せるところだろうと思いきや、若い女に手を出してばっかの懲りないおやじという、なんともいえない小物だったというまとめかたにガッカリでしたね。
彫刻家のロダンが42歳時に付き合いだした愛人カミーユはその時19歳で年齢差24だったが、10年愛人としてずるずるとつき合わされ破局した後は、彼女は精神を病み、彼女自身も彫刻家だったがその道も失い、一生結婚も恋愛もせず、家族とも疎遠になって一生を精神病院で終えた悲劇のヒロインで、ロリコンおやじの毒牙にかかった少女のストーリーとしては彼女のほうがよほど面白い。
まあ、冷静で学問を崇拝する校長にエマトンプソン、そして夫に何度浮気されようとヒョウヒョウとしている仙人のような妻にサリーホーキンスを配置するあたり、この映画は、中二病のヒロインの更生物語にしたかったんだろうなとも思うが、更生を描くところが10分足らずで、「そこはダイジェストかい」って思うほどあっけなかったのが雑な印象。
タイトルで「Education」って言ってるくらいなのだから、映画としてはミニマムな95分のせめて3分の1くらいは更生の過程をしっかり描いてくれないと。
これでアカデミー賞で作品賞を含めいくつかにノミネートされているというのもよく分からない。アカデミー賞って、作品賞のノミニーにちょくちょく10代の主人公の甘酸っぱ系の作品を選んできますけど、10代の青春物語ってだいたいたかがしれている(恋愛、学業、友達、家族という4大要素をねりこんで最後はハッピーエンド。)ので、10代モノはもともと苦手の領域ですね。
この映画は、大好きな英国が舞台だというから鼻をつまんで見ましたけど、想像以上に酷かったです。