1.《ネタバレ》 今作は『ドロップ』同様にアクションの見せ方は相変わらず迫力もキレがあって上手いと素直に思いました。 褒める所はそこだけです。全体的にはやっぱり不快な映画でした。漫才的テンポを映画の中にもふんだんに取り入れてますがしかし私は『うるせぇよ!黙れ』と死ぬほどイライラしました。前半の佐藤隆太演ずる飛夫が連発する状況の『説明』は本当にウザくて・・ウザくて・・だってすでに映像で状況を分かりやすく見せているのにその上にしつこく『説明』されたらイライラしてしまいます! 他のキャラクターも『説明』突っ込み連発でウザい。 そして最大の問題。キャラの扱いの描写は『ドロップ』より悪くなっているのではないでしょうか? 佐藤隆太の主人公の飛夫への周囲の甘やかされ過ぎは異常です! 特に石原さとみ演ずる彼女の飛夫への人間味が感じられないほどの奉仕っぷりは驚きました。 主人公の身勝手な対応にいくら彼を想っているとは言え、何かしらの感情すら表さず、どんな時もただ薄ら笑顔で尽くすだけって・・ キャラとして美しいと思っているのか? 何も味も魅力もなく、この女の描写に非常にムカムカしました。上地雄輔演ずる相方の龍平も主人公を甘やかしてるし、さらにその龍平も周囲に甘やかされてしまっているので そんな状況でこいつらの成長をどう感じろというんですか? 具体的に書きますと、飛夫が龍平の突っ込みの才能を見込んでコンビを組んで、練習してステージ立ちますが、ここが問題です。彼等は行き成り初ステージで爆笑を取ってしまっている事です(そもそもネタが私は笑えないですけど)。 いくら二人に漫才の才能があるからって簡単過ぎます。二人の漫才が壁に立ちはだかる状態を描こうよ・・。宮川大輔の闇金屋は単体では面白いところはありましたけど、こいつも何故かどんどん物分りのいい主人公達を甘やかすキャラに変貌してムカムカしたり・・ 不良グループとの抗争は何かものすごく中途半端でなあなあに回収したり、飛夫が終盤でブレイクする過程もやっぱりごっそり省いて何が何だか・・みんな簡単にしすぎ! トータルで主人公二人が全く成長してるようには見えません。よって周囲に甘やかされたこの二人がこれから先、まともに社会を生きていけるとは感じず最終的に『勝手にしろ』と思いました。『甘やかし』が品川監督の味なんですね・・『ドロップ』よりも嫌いな映画だわ。