2.《ネタバレ》 この話の前編となる『京都大火編』のほうにも書いたのですが、とにかく政府が最低。自分たちで暗殺を依頼しておいて、結局自分たちのために闘ってくれた剣客二人を二人とも闇に葬ろうとした。それも、自分たちで手を下そうとしたならまだしも、剣心には志々雄を暗殺するよう依頼し、志々雄には脅されて言われるがまま剣心を指名手配。劇中恵が言った、「恥を知れ」まさにその通り。二人が戦艦内で闘っているときも、二人もろとも戦艦ごと砲撃で亡き者にしようとし、そんなことをするくせに最後、志々雄に勝って戻ってきた剣心に「侍に敬礼!!」ってどの顔でそんなこと出来るのか。敬礼された剣心もなんだか唖然としてるように見えたし、薫も伊藤博文なんかどこ吹く風で「早く帰ろう」。ご大層なBGMをかけていましたが、何の感動も感じない、見ていて空しいだけのシーンでした。そんな汚い政府がうまいこといって終わりみたいな話のどこに感動しろというのか。
そしてこのシリーズについてずっと感じていることではありますが、『るろうに剣心』を作ろうとしているのか全く新しい別のものを作ろうとしているのかはっきりして欲しい。キャラクターがしっかりハマっていると感じたのは剣心と薫くらいで、あとはみんな無理やり作られたキャラだと感じた。蒼紫や安慈は特に酷い。蒼紫は急に出てきてなんの前触れもなく抜刀斎をつけ狙い、打倒志々雄のことで忙しい剣心にいきなり戦いを挑んで邪魔をする存在にしか映らなかった。漫画の方なら般若や式尉などの御庭番衆たちとのエピソードの上でのことと受け入れられるのですが、それもない。安慈は坊主というキャラからも超がつくくらいストイックな性格のはずなのに、左之助との闘いで金的攻撃やくすぐり攻撃など明らかに馬鹿にしている。
なので上述のように、視聴者が漫画を知ってる前提で作っているのか全く新しいものを見せたくて作っているのかハッキリしないことにとてもモヤモヤしました。だめだこりゃ、という感想です。
やはりどんなに評判の良い作品でも、自分で見るまではわからないんだなと改めて実感しました。あ、志々雄の焔霊だけは見応えありました。それならカグヅチも見たかったですがね。