3.《ネタバレ》 「キャラの使い方」や「カッコ良いアクション」の演出がまるっきり分かってない。CGや撮影技術のレベルの高さに比べて、ストーリーや演出のセンスが無さすぎ。
まず、主人公は悪魔なのに馬鹿力以外の特殊能力が無い。右手に封印された「必殺技」があるかと思えば、ただの「鍵」だったという訳のわからないオチに呆れた。物理的なパワーが売りなら、漫画「バキ」のオリバみたいに、もっと肉弾キャラとして徹底すればいいのに、銃や爆薬を使ったりするから、何が特徴なのか分からない中途半端なキャラになっている。
また序盤はヘルボーイの強さを観客に印象付けるための「キャラ紹介」なんだから、いきなり苦戦させちゃダメだろ。苦戦するのは中盤以降、より強力な魔物が出てきてからってのが基本。
敵キャラのサマエルも「死の天使」とか「地獄の番犬」なんて大仰な名前の割りに、見た目はただの「デカい犬」で、こいつにも特殊な攻撃能力が無いから「魔物の凄みや恐ろしさ」がまるで感じられない。普通の銃火器で対処できちゃダメだろ。例えば、ああいう醜い姿でも、高い知性を有している狡猾な魔物で、その姿を見ただけで人間は金縛りにされるとか、魂を抜かれるっていう演出をしないと。吐息に触れるとすべてが腐れ落ちるとかさあ…。
それに、魔界の門を開いて魔物を召喚するってストーリーなら、封印が解かれるにつれ、だんだん人間では対処できないような、上位の魔物が現れるってパターンにしないと。日本の漫画ならそれ位は言われなくてもやるねw。
「サマエルなど、魔界においてはBランクの妖魔にすぎない」とか、「この封印が解けたら、A級やS級の悪魔が人間世界に召喚されてしまう!」とか、「この妖気は、これまでの魔物とは比べ物になりません!」とか、「この霊圧はオレが魔界にいた時に、一度だけ感じたことがある」とかさあ。色々あるでしょ~、お約束ってのが!
ラストもショボいよなあ。なんで不死者のラスプーチンがあっさり死ぬの?なんで封印を解かなかったのに、ラスプーチンの体内からあのイソギンチャクが出てくる?なんで飲み込まれた体内で爆弾を爆発させたのに、ヘルボーイは無傷のままなの?と言うか、そんな爆弾程度で死ぬような魔物が世界を滅ぼせるかっつーの。
唯一、クロエネンの刀捌きがカッコ良かっただけ。その他、突っ込み所は多いけど、キリが無いのでこの辺でw。