1.《ネタバレ》 「彼」のベースであるボーイング社製「X-47:Pegasus」は、世界初のミサイルを
搭載した無人戦闘機として空母上で実験中で、実機も目が青く光る変形菱形のステルス機。
しかしパイロット募集の「トップガン」が時代遅れになるのだから現実の方が恐ろしい。
恐ろしいと言えば、映画の内容も悲惨で実際にイラク戦争が行われている最中に
作られたとは、とても思えない非人道的な映画で「人」が「人」として描かれ(扱われ)
ない別な意味で「ステルス」な映画だ。映画は確かに娯楽だがご都合主義にも程がある。
一瞬007を見ていると錯覚したぐらいで、俳優陣の演技には見るものが有るだけに残念だ。
肝心の脚本も少し捻ってみました、とでも言いたい後半の展開を含めて酷い。
「ファイヤーフォックス」の様に、最新鋭機を巡るサスペンス風味の方が楽しめたと思う。
これを観て「クール!」と思う人は正に「プレステ」世代。この作品のストーリーが
気に入った方は是非「ブラックホークダウン」という映画も見てほしい。
戦争とは正義なき人殺し。その人殺しの道具を必要以上に美化してはいけないと思う。
点数は良く出来た空母着艦発進シーンに。このリアルさは素晴らしく、1分あたりの
CGショットに8000万円費やしたのも納得。でも、それだけだった。
これだけ「USA万歳!」で予告編も面白そうなのに、肝心の全米チャートが散々なのも
納得できた。決して「アクション映画」=「人殺し映画」ではない。
その事が分っていたアメリカの映画ファンは、まだ捨てたものじゃないと思う。