2.《ネタバレ》 先ほど観終りました。
非常に残念な映画です。
勧善懲悪に拘って、相当の傑作を最後の最後で台無しにしてしまっている。
確かにクライドは凶悪な殺人者ですが
同時に不完全なアメリカ司法制度の被害者です。
私はニックが罰を受けなかったという所がどうしても納得が行かない。
彼は本当にクライドに学んだのでしょうか?
みなさん言っていますが完全な報復には程遠い
不完全な報復、そしてとんでもなく片手落ちな正義です。
10年という月日を費やして
冷徹で頭脳明晰なクライドが計画した完全犯罪(結局露見しましたが)に比べ
ニックの最後のやり口は非常ズサンで場当たり的で傲慢
臨時とはいえ、地方検事という立場から考えれば、正に恥知らずと言うしかない。
イライラついでに言ってしまえば、プロットにもスザンな所が多数有る。
普通あれだけの事をした囚人の独房には、監視カメラぐらい付けるのが普通です。
その他、クライドが購入した土地が終盤、アッサリ割れてしまう辺りもそうですが
地下を掘って刑務所にあれだけの用意周到な仕掛けを施していれば
そのアジトにはカメラやセンサーぐらい付けてるでしょ。
それもこれも本当は些細な事で、映画自体の出来は本当に素晴らしいのです。
私は終盤に入るまでは非常にドキドキしながら見ていました。
それなのに全く、なんであんなラストへ強引に持って行かなければ成らなかったのか。
まあ、ココまでにしましょう。非常に不愉快だ。
ラストが煮え切ってキッチリ落ちていれば8点以上でしたが
今回は負けを悟り、潔く死んだクライドの鎮魂を意味を込めて
3点を献上します。