1.《ネタバレ》 ラスト30分までは良かった・・・。
付近の駅で起こった列車事故を皮切りに消える村民、謎の停電等の怪事件。それらを通し主人公が父親や友人、想い人や母の死との関係を進展させていく演出は面白い。
ギャグもまぁまぁで仲良し五人組は『普通』『チビの爆破マニア』『嘔吐癖のあるヘタレメガネ』『ムカつかない程度にわがままなぽっちゃり系』『空気(こいつは早々フェードアウト)』と個性があり見分けやすい。何より小学生が主人公の作品が少ないのでそれだけで嬉しい。
ただそれ以上に残念な点が。宇宙人は『墜落した時捕まり何十年も拷問を受けた』と同情できる設定なのだが・・・こいつ人間食うんだよね。恨みがある軍人相手ならまだ良いが、無関係な村の人間まで食う。コレのせいで外見も相まって宇宙人に同情できない。『触れた相手とはテレパシーできる』と言う微妙な能力で主人公は助かる(悪人でないと判断された)が、その後いきなり感動的な音楽と共に宇宙へバイバイじゃ村が完全にとばっちり被害。リアリティと考えたのかもしれないが、個人的に少年主人公の場合は極力死者を出さないで欲しい。
次に主人公達が事件に全く関わらない。宇宙人も脱出して暴れてバイバイするまで基本『自力』。たぶん事件を介した主人公の成長を描きたかったのだろうが、それにしてもつながりが希薄すぎ。てかラスト30分までは宇宙人と関わってすらいない。予告にあったビデオも話に絡まず、ついでに軽トラで列車が脱線するシーンも宇宙的パワーの産物かと思ったらコッチも『自力』だし。いや、流石にあそこまで脱線はしないし、おまけに車はイースの如くドライバーと共に半身ズラしで無事。なので予告は詐欺。
例えば死人は軍関係者のみで食料は人間でなくスパーのお菓子を盗む(町から色々盗まれる描写はあるので繋ぎも楽)とか、軍人は殺すが少年とテレパシー後は民間人は巻き込まないようにするとかにすれば宇宙人に同情できる。もしくは最後に宇宙人が脱出に失敗して死ぬとかなら事件事態は『因果応報(宇宙人も一応罪無き人間殺してるし)』で終わり、正にスタンドバイミーの様な『ちょっとビターな夏の思い出』的な少年成長劇として見れた気がする。
『80年代感動映画総集編』を見ている感じで、浅く広い演出は感動も何も起こらず。とりあえずCMの『スタンドバイミー+ET』と叫んでた兄ちゃんは両作品をもう一度見ろ。