3.《ネタバレ》 CGのレベルが低いのは、時代を考えればある程度は仕方ないとは言え、その使い方や表現センスまでが古臭い。CGによるコミカルでオーバーな表現を売りにしているのだろうけど、今どき目玉が飛び出したり、アゴが落ちたり、地面に落ちてペラペラになったりと、「トムとジェリー」のようなあまりにも古典的な欧米型のギャグの数々を素直に笑うのはちょっと難しい。逆説的な意図、もしくは温故知新としてあえて古臭い事をやっているのか、未だに欧米では「ギャグ」と言えばこんなのしか思いつかないのか。
そもそも「マスクを被る事で超人的な力を得る」というのは分かるけど、あまりにもその能力が現実離れし過ぎているのが問題だと思う。そうなる「根拠」が語られないまま、悪い意味で「何でもアリ」になってしまっているので、マスクを被っている間のアクションやストーリー展開にまったく緊張感や説得力が無い。
警官に囲まれてるのに踊ったりするミュージカルっぽいシーンなども、それこそ「何でもアリ」で、個人的にはバカバカしくて呆れてしまうだけ。操作系能力も持ってるのかよって話でしょw。
また、そんなコミカルな表現を強調しているとは言え、あまりにも合成である事があからさま過ぎ。もちろんこれがアニメならそんな事に文句は言わないが、やはり作中では本物(現実)という前提で話を進めている以上、合成の「齟齬」をコミカルな表現で誤魔化しているようにしか見えない。
ラスト間際でも、マスクを被るのが犬だけじゃなく、他の登場人物にもどんどん乗り移って、敵味方関係なく大騒動になるようなハチャメチャな展開にして欲しかった。肉体や表情の変化は突飛なのに、肝心のストーリー展開やアクション演出が地味。
中途半端にシリアスにしたり恋愛要素を絡めてないで、もっとコメディとしてハジけないと、こんな「何でもアリ」のマスクを出す意味無いでしょ。