1.最初から最後まで、この作品に共感することができなかった。自分の中で久しくなかったことだが、ハズレ作品を選んでしまったようだ。作品のほとんどすべての要素において、感性が合わなかった。デイビット・ボウイのモダンラブがかかるシーンすら、カッコいいとも思えず、ただクソガキが恋心をこじらせておかしくなってるだけとしか思えなかった。
ジュリエット・ビノシュとジュリー・デルピーが本作の救いで、彼女たちの若々しく、美しい姿がなければ、途中で挫折したのが確実だったろう。
思春期の焦燥を、詩的な台詞と感覚的な映像で表現した作品なのだろうが、この台詞がなんというか、奥行きがない。詩的だが、詩情がないというべきなのか。監督が制作当時若過ぎたせいもあってか、己の感覚任せに台詞を書いている感じで、この詩的な台詞が物語の筋にのちのち関わったり、あるいは登場人物たちの人間性や生き様を表すこともないため、観ていて、子どもが延々とポエティックな能書きを垂れているだけにしか見えなかった。ストーリー展開も粗があるため、退屈で興奮することもできない。製薬会社に侵入してからの、諸々の描写の雑さには唖然とするしかない。なんで警察はこんなクソガキ一人捕まえられないんだ(笑)