1.犯人しょぼすぎ!このシリーズに限ったことではないが、敵との対決が定型のドラマは相手が強大で鋭くないといかん。犯行は通常の捜査で充分挙げられるような穴ぼこだらけだし、犯人も終始オドオドしたなんとも小物っぽい雰囲気。なにしろ本職の指揮者としてもあのタクトの振り方はまるで素人じゃないですか。ピーター・フォークの友人だったための抜擢らしいが犯人役のジョン・カサベテスはリズム感ゼロなのではないか。彼に殺される被害者もなんであんなカリスマ性のない指揮者にそんなに執着するのかさっぱり分からない。こんなへボい奴を捕まえるのにあんなまわりくどいやりとりが必要なんて、コロンボもしょうもない人物に見えてしまうよ。少女や奥方の母親等脇を固める人々の人物造形がしっかりしているだけに、かえって肝心の犯人像の説得力の無さがいやでも目立ってしまう残念な一本だ。