1.「狂っちゃいないぜ」は「狂っているぜ」の反語というか、それなりにブッ飛んでるということを前提にしているわけで、それを自称するということは、自らハードルを相当挙げてしまっている気がする。実際見たら本当に狂っていない。『非日常』と言われたら、言われた側は構えるから、そこに普通の『非日常』を持ってきても、拍子抜けとなる。よほど『非日常』であるか、あるいは逆に『日常』だったらすごく面白いと思う。この邦題はひどいし、意図とは違う捻じ曲げられ方をしているのにそれを監督は許すのだろうか。それとも権利を買い取った時点で邦題は配給会社の恣意のものなのかな。観客を取り込むまでがゴールならば、商業的な側面からは成功だろうが、その後の領域に関しては失敗というか、悪質であるとすら思う。尤も、見る前から「狂っていないんだろうなぁ」とは予測できるし、そのことでの裏切られたという憤りはない。商業的意図はあからさまと言えばあからさまだから、悪質だとも思っていない。アンジー目当てで見たし。