2.《ネタバレ》 ロボットのCGがよいということで鑑賞してみました。
近未来の少年ロボットものということで鉄腕アトムのような夢あふれる冒険ファンタジー、と思いきや、引きこもり、登校拒否の少年サトルの物語か、やれやれ。
いじめ→登校拒否→自動車事故→母親死亡→足を負傷→引きこもりとなり、リハビリのために自分の代わりにロボットを学校に行かせる。
まー、ここまでは大目にみますよ、設定なんだから。
最初はジュンにいじめられ、どうにか仲間になれたとおもったら、次はメガネの少女に嫌われ、最後は軍事ロボットだから帰れの大合唱ときた。
学校を飛び出し、電車に飛び込んでロボットを壊すが、感覚フィードバック装置が作動していために自分も死にそうになる。
どーも夢のない話ですな。
煉獄というゲームと現実がリンクしているために、ジュンは煙突に登り、サトルの回復を願いアルト笛を吹く。
ここが最大の見せ場なのだが、盛り上がる要素がない。
ゲームの真似をしても意味があると思えないし、無理やり盛り上げようとして、地震を起こし、ジュンが墜落させる。
それにいつのまにか子供たちが集まってきているし、メガネの少女が笛を貸してやるし、どーも不自然さが目立ちますな。
サトルは、死から生還したとたん、心をひらき、仲の悪かった父親とも仲直り。
ご都合主義です。
サトルの物語なのだからサトルが活躍しないと感動がない。
サトルが勇気を出してジュンたちを助けるような展開なら無理がなかった。
ロボットに頼らずに最後は自分の足ででかけてゆくような。
サトルはずっと受身で、心の成長がないのだ。ジュンにも心を開かずにいた。
子供に向き合えない父親の物語も話を複雑にするだけで不要。
この映画は子供に夢を与えない。この映画を友達にすすめた子供はいじめにあいそうだ。
「制作費4億円、興行収入1億円の大コケ映画」といわれているのもうなずけます。
性的虐待を受け、心に傷をもち男の格好をするジュンの個性がありすぎて、主人公を食ってしまている。もったいないですな。
引きこもりは愛されない。引きこもり映画も愛されないということです。