1.《ネタバレ》 海岸で釣り宿を経営する母親がV・レッドグレーブでその娘がS・ジョージ、20年ぶりに戻ってきた母親の昔の男がC・ロバートソン、その他にどうでも良い役柄の2人、たった五人が全登場人物という超激安映画。ともにトラブルメーカーとして映画界から干されだしていたとはいえ、その内二人がオスカー俳優というのはちょっと凄いかも。むかしの男と母娘が三角関係になるという主演L・アントネッリのイタリア映画みたいなプロットですが、“幻のエロティックドラマ”というのは明らかに看板倒れでした。レッドグレーブまでワンシーンながらもヌードを見せるのに、肝心のS・ジョージがわざと暗い映像で脱ぐというのはいったいどうなっているの、しかもどうもボディダブルを使っているみたいなんです。これじゃ「金かえせ!」と暴れたくなりますよ。 レッドグレーブはファムファタール的な雰囲気でストーリーを引っ張りますが、相手のロバートソンが謎の男かと思ったら単なるスケベ男だったという結末にはがっくりさせられました。実は観始めたときから自分にはある「?」が頭の片隅にあったのですが、その「?」がまさかその通りだったのでほんと驚きました。 ラストで母娘のうちひとりは去ってゆき、ひとりがロバートソンと暮らし始めます。でもそれぞれ全身が映らない映像を見せて、レッドグレーブとジョージのどっちだったのか判らない演出なんです。この映画の中で唯一シャレたところでした。