1.単純な巨大生物パニックものだと思ってたところ、導入から30分くらいまでは、インチキ不動産屋の美人女社長が企画した、孤島の別荘地販促ツアーに集まる人たちの交流を、結構な尺を使ってインチキ臭く描写していて、社会風刺的なユーモアにもなっていて、結構楽しめました。だがしかし。巨大蟻が登場したところで、映像技術の雑さ加減に、思いっきりずっこけました。巨大蟻登場時に3つの視点を使い分けていています。(1)巨大蟻の複眼視点(蟻に狙われている感を演出)。(2)静止遠景に巨大蟻を合成または実物の蟻を歩かせる(巨大蟻登場!!!)。(3)登場人物を襲う巨大蟻模型との格闘を手ぶれカメラで近写(臨場感を演出しつつチープさをごまかす)。すべてヒドイとは言え、とりわけ(2)がヒドイのです。そのヒドイ映像に合わせるかのように、後半はハチャメチャなトンデモ展開になってしまっています。辛うじて、ずぶ濡れになった金髪お姉さんは、スタイル良くてよかたです。蛇足:この作品に限らず、複眼生物の視界が、複眼の個数だけ分割されて見えるという発想は、一体どこから来たものなんでしょうかね?我々の視界(空間認識)が2つに分割されてないことを考えれば、普通はそういう発想は生まれ得ないはずなのでとても不思議です。