2.《ネタバレ》 ゴダールの某映画の中でこの映画のタイトルが出てきた事があるので、これは観ておかなくてはという義務感のみで観ました。
ケリー・グラント扮するウォルターとかいう男は、自分が観た映画の中で3本の指に入るほどの嫌悪感を覚える男。しつこい。自分中心。元妻が戻らないと分かった瞬間に暴言を吐く。女をハメて、やりつやられつでコメディが1本撮れるにもかかわらず、矛先を婚約者の男の方に向けてしまうというシナリオの粗悪さも相俟って最低の人物像に仕上がってしまっているのが可哀想に思えてきます。
また、婚約者を捨てその男についていくヒルディとかいう女も同様。一時の気分で相手を交換するヒロイン像を作り上げた製作者達には映画を作るなと言いたい(もういないだろうけど)。
ワイルダー同様“脚本の映画”には嫌気が差すが、この映画はそれ以前の問題。
一応コメディなので面白い部分を探すと、ごくたまに一部の場面や会話で笑える部分というのは確かにある。実際に笑いもした。
台本の厚さを競っているとは思いたくはないですが、これほどの量をバラ撒けば数撃ちゃ当たるのも当然。