57.《ネタバレ》 【2020/01/09加筆修正】
思いがけず衛星放送で吹き替えを観賞。
初観賞時と比較して多少はパソコンに関する知識が増えた影響なのか、当初とは異なる印象を持ったので書き直したい。
本作でのエージェント・スミスはマトリックスに於ける所謂「悪玉コンピューター・ウィルス」を象徴的に描いたキャラクターだった。
1作目終盤まではマトリックスの安定を阻む奴ら=ネオ達、悪玉ウィルスを取り締まる側だったが、
ネオの出現~戦いに敗れた事でプログラムの強制的な書き換えが行われ、マトリックスの支配を目的とする悪玉コンピューター・ウィルス的存在となった。
2作目の序盤、マトリックスとの常態接続を意味するイヤホンを外してネオ側に渡したのはその為。
そこでマトリックスの支配者は世界の安定の為にスミスを消滅させる必要が生じ、ネオに対しスミス消去と引き換えに現実世界での人類抹殺取り止めを持ち掛けた。
結果はネオの勝利に思われたが、実はこの勝利の裏には意図的にスミスに取り込まれた預言者が大きく影響していて、実際は預言者に操られパワーダウンしたスミスにネオが勝利した。
(預言者が取り込まれた際にスミスと同じ外観になった時、大笑いしたのはそのせい)
こう考えると、一連の3部作は決して荒唐無稽でも無く、拡げた風呂敷を回収出来なかった訳でもなく、
ウオシャウスキー姉妹なりの流儀できっちり物語を完結させている事が判る。
(かなりシンプルな物語になってしまうので少し拍子抜けする位)
ただ、腑に落ちない点はまだ沢山ある。
・設計者が「希望した者は解放する」と言っていたが具体的にどうするのか?
・希望者解放後のマシン・シティの電源確保はどうするのか?(太陽光発電でも開発したのか?)等々、
中途半端な部分が未だに多いので0点では無いが3点とした。
良くも悪くも映画界に大きな爪跡を残した映画だった事は紛れも無い事実。
どの様な作品になるのか想像も付かないがPart4の作成が決まった様だ。
期待して待ちたい。