13.主人公はかつて、麻薬王を爆殺する任務の中、無関係の子供まで巻き込んでしまい、心に傷を負っているらしい。だったらどーしてそんな主人公をよりによってスタローンが演じているのか。似合わないにも程がある。
いやいや心配ご無用、この冒頭の場面、本人は気に病んでいるかどうか知らぬけど、我々が見る限り、悪いのはどう見てもジェームズ・ウッズただ一人、こいつが殆ど変質者と言いたくなる極悪人。スタローンは悪くありません、ヒーローですから、という安心感。
そんな安心感、この物語の中で、邪魔なだけだと思うのですがねえ。
さらにスタローン、空気が読めないのか、これも俳優の仕事だから仕方ないのか、役柄にまるでそぐわぬ筋肉パフォーマンスをわざわざ披露してくれる。どうもありがとう、できれば遠慮したいところだけど。
ジェームズ・ウッズはノリノリで悪いヤツを、時に図太そうに、時に神経質そうに、要するに何とも楽しそうに、演じている。やや暴走気味。
シャロン・ストーンも、もう少し神秘性を出してくれればいいんですけどね。むしろ何となく、哀しき「下り坂」感が感じられて。
でもスタローンと頑張って絡んで見せ、肉体派系「失楽園」といったところでしょうか。
チグハグで奇妙で、あまり楽しめない娯楽作品でした。