6.《ネタバレ》 日本人なら「あれ、オキナワってどこの国にあるんだっけ?」と一瞬悩んでしまう日本(オキナワ)描写ですが、部分的には努力のあとが見えて、この映画の30年後に撮影された「ウルヴァリン:SAMURAI」で描かれる日本あたりと比較すればむしろがんばってる方だと言えなくもありません。
昔の映画であっても「007は2度死ぬ」や「ブラックレイン」のように日本ロケをした映画ならともかく、あくまでアメリカで撮った日本ならこんなもんでしょう。
とはいえ、たとえば夏目漱石の札束(夏目漱石の札束ってのがそもそも変なんですが)をああいう風に数えて渡す人は日本人にはいないわけで(アメリカの映画では見かけるけど、日本人はあぁいう風にお札を数えない)やはり日本人が観ると随所にひっかかりを感じます。
…なんて書きましたけど、これはあくまでも日本人だから思うローカルな感想。
この映画は基本的にアメリカ人を対象にアメリカで撮られた映画なので、たとえば「残念だけど沖縄にはバレースクールは無いの」という、沖縄の人が聞いたら「沖縄なめんなよ!」と思うようなセリフであっても単なる映画の都合による設定に過ぎないわけで映画の本質的にはどうでもいい事なのです。浴衣と着物の区別がついてないのもよしとしましょう。
という事でそういう日本人だけがおかしいと感じるような点を除いて素直な気持ちで映画を観れば…
初めて訪れる日本?の街(村)で、朝、泊まった家から出て数メートル道を歩いただけで「漁村だって聞いたけど誰も漁をしてないね」と師匠に尋ねる主人公。
「いや、そこまだ普通の住宅地の中だよ!!」
「周りに海も見えてないのになぜそんな事がわかるんだよ!エスパーか!」
…突っ込まないわけにはいきません。
日本とは関係ないところでも結局突っ込み放題なので、残念ながらその程度の映画なのでしょう。
クライマックスを盛り上げるために?唐突にやってくる台風やその台風の中で意味もなく柱に上って困ってる子供、覚えてろよーと言いながら台風の中を走りだすライバルのチンピラ等々かつての大映ドラマを思い出させるような強引かつドラマチックな展開も、残念ながら突っ込み待ちのギャグシーンにしか見えないのが残念なところです。
ところで、やはり格闘ものですから主人公には必殺技がかかせません。
パート2という事で1作目の(どういう効果があるのか全くわからない)鶴のポーズと同じじゃいけませんから2作目は「でんでん太鼓殺法」です。
クライマックス、倒れた主人公にカツを入れるため祭りに来ていた客の全員がふとことからでんでん太鼓を取り出し打ちならしはじめます。
こわ!
こえーよ!
もうほんと、ホラーなのかギャグなのかはっきりしてほしいところです。
ちなみにこのシーンの主人公の殴り方は、まるではじめの一歩のデンプシーロール。
なるほど、でんつながりですか。
意外と理にかなってるわけですね、でんでん太鼓殺法。
余談ですが、映画導入部で展開する前作から直接つながるシーン。
これは前作でいったん撮影されたものの蛇足だからと言う事でカットされたシーンをそのまま流用したもの。
エコだね!!