2.《ネタバレ》 バラエティ番組はほとんど見ないが、ダウンタウンの番組だけは見ることが多い。
松本人志を信奉しているわけではないが、彼の笑いには多少の理解があるつもり。
あまりにも世間一般の評価が低いので、それほど期待していなかったものの、好意的には鑑賞してみた。
第一ステージだけを見させられれば、それほどつまらなくはない。
醤油や漫画などありがちでベタな笑いを交えつつ、脱出方法が思いついた際の描き方、狭い空間に閉じ込められた際の回想シーンなどユニークなアイディアも盛り込まれている。
しかし、第二ステージ以降の面白みに欠ける展開と、あまりにも不可解なオチへと繋がるため、全体的にはどうしても高い評価をしにくくなってしまう。
松本人志自身、納得できているとは思えないどうしようもないオチだ。
世の中の奇跡や事象は、天使や神のような存在の悪戯によるということでも伝えたかったのだろうか。
メッセージ自体はそれほど悪くはないものではあるが、あまりには話が漠然としすぎており、かつ話が大きく跳びすぎており、観客は付いていけず取り残されてしまうのは仕方がない。
あまりにも投げっぱなしなので、深読みする気も起きない。
こんな訳の分からないオチにせずに、マジメに作ろうとすれば、これほどつまらない作品にならないようにはできたはずだが、松本人志は普通の映画を作る気はないようだ。
普通の映画ではない映画を見られるということだけが本作の存在意義になるだろうか。
松本人志監督作品でなければ、世に出るレベルではないだろう。
普通の映画を撮る必要はないが、もう少し熱意のあるマシな映画を撮って欲しいところだ。
密室ネタのアイディアから話を膨らますことができず、最後はタイムアップになって、放り投げたとしか思えない映画になっている。