1.《ネタバレ》 ドラマの設定は手垢のついたパターンであり、そこに食事の趣向で
独自性を出したのだろうが、双眼鏡や青空や握手の演出も含めて小手先の印象である。
前作同様、不器用男が走る横移動の(これまた陳腐な)ショットをどうしても入れたいようだが、病院の待合室でパンにかぶりつく
シーンのほうがまだ力強い。
雄弁なダイアログは二人の個性の描写として許せるのだが、
食べ物の好き嫌いがないとか、イエスのように優しいとか、エピソードの中で描写
すべき事まで台詞で説明というのもどうなのか。
ラストが揺れる白いカーテンである割には、病院の屋上ではためく白いシーツを
画面に載せないなど、主題系としての不徹底が目に余る。