2.《ネタバレ》 最近の韓国映画はジャンルを問わず、概ね好評みたいだけど、個人的にはどれもピンと来る作品がない。特にサスペンスやホラーのジャンルがひどく、日本や海外の作品のパクリが多すぎる。この作品も、『羊』『セブン』『CURE』等の既存サスペンスの劣化コピーで、まるでオリジナリティなし。もうこの手の「連続殺人鬼とそれを追う刑事」という設定にはウンザリ。同じような作品を何本作りゃ気が済むんだろ。もう少し、違うシチュエーションを考えようよ。
同じ「催眠術ネタ」でも、『CURE』は、あくまでホラーとして「殺意の伝染」こそを恐怖のメインに据えていたのに対し、この作品は単に「刑務所にいる連続殺人鬼が他人に殺人をやらせるために催眠術を使っていた」と言うだけのことで、そもそも目的とテーマが違う。
連続殺人鬼ものは、犯人との知的な駆け引きこそが見せ場だけど、今作にはほとんどそういう要素がない。展開もダラダラしているし、韓国人特有の「感情的」な捜査にも感情移入ができない。連続殺人鬼が催眠術を使う必然性を無視している地点で、作品としてのエレガントさにも欠けるのは当然のこと。