1.《ネタバレ》 天才マックスの時からこの監督の好きな人だけには薦められる作品で、はっきり言って一般受けはしないだろうと思われる。
何の面白くもない冒険ゴッコが繰り広げられるだけで、ズィスーの映画造りも上手くストーリーに活かされていない。
とにかく何もかも中途半端で何がしたいのか全く分からない。
海賊との戦いはバカ系なんだが、それで終始攻めるつもりでもなければ、また脱力系で攻めているわけでもない。
息子ネッドやジャグワーシャークの関係で感動させようとしているのかもしれないけど、これらではこれっぽっちも感動しない。
逆に観ている者にとっては「なんでそんなことするかなあ」と対応が困ってしまう。
思いきって、何もかもバカ系で攻めれば、結構面白くもなったんじゃないか。劇場ではかすかに笑い声がもれていたので勿体無い。自分も学生に単位を渡さないところで学生の反応には笑ったから。
この監督にとっては、ストーリーはあってないようなものが常だから、いまさら文句をつけるわけではないが、相変わらずどうでもいいダラダラとしたようなストーリーだ。
ストーリーで勝負しないのは分かっているので、この監督が勝負しなければならないのはキャラクターだ。
しかし肝心のキャラクター設定はイマイチだ。
どのキャラクターも「自分」というものを掴めずに演じているような気がする。どのキャラクターもしっかりとした「顔」が見えてこない。
顔や心が見えるのはネッドくらいではないだろうか。
また、海賊との戦いやイヌの扱いなどは、かなり度を越していると思われる。
船を半分に切ったようなセットは絶妙なのに、そのセットも上手く活かされていないのも残念だ。