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死者の書

[シシャノショ]
The Book of the Dead
2005年上映時間:70分
平均点:5.33 / 10(Review 3人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-02-11)
公開終了日(2006-04-07)
ドラマファンタジー時代劇アニメ
新規登録(2006-02-17)【かんたーた】さん
タイトル情報更新(2011-10-11)【イニシャルK】さん
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監督川本喜八郎
岸田今日子ナレーション
宮沢りえ藤原南家の郎女
榎木孝明大伴家持
江守徹恵美押勝
黒柳徹子當麻の語り部の媼
三谷昇魂乞をする村人の長老
原作折口信夫
脚本川本喜八郎
撮影田村実〔撮影〕
特撮島村達雄(VFXアドバイザー)
作画ユーリー・ノルシュテイン(友情アニメーション)
美術川本喜八郎(人形)
照明田村実〔撮影〕
あらすじ
奈良に都のあった頃。藤原南家の郎女(いらつめ・貴族の娘のこと)がある日、思い立って写経を始めた。経典を写す事で如来へ近づけると思ったからだ。やがて郎女は山頂に仏の姿を見、フラフラと山へ入っていく。だがそこは如来とは何ら関係なく、かつて不遇に死んだ大津皇子の遺体を納めた二上山。夜になると大津皇子の死体は起き上がって、生前に出会った耳面刀自(みみものとじ)という女を捜し求めるのだ…仏教とアニミズムの交錯する古代万葉の幻想的世界を、名匠・川本喜八郎が人形アニメーションで映像化。
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1.《ネタバレ》 喜八郎に酷い点はつけたくないが、やはりここは…。
何しろやたらセルアニメやらブルーバックやらの技法が使われすぎで、「天下の喜八郎師匠がなんて事を~」と涙なしには観られない無統一な画面。音楽も安易に西洋楽器に頼りすぎ。旋法には風情があるけれど…。

問題の根は「作り込みすぎ」にあると思う。都の大路を行き交う群集、垣根を造る男たち、かしましい南家の女官たち…こんなモノをコマ撮りで全部アニメートしてたらどれだけ手があっても足りなくなる。そのしわ寄せが肝心の如来や大津皇子に集まってしまったんじゃないのか。最初に構想した画が壮大で、緻密すぎたんじゃないか…と思う。
その無残にもバラバラになった手法や、無駄に細部まで表現されたモブシーンは、それでもなお本作には必要な物だった。ラストカットでそれがわかる。この話はそもそも原作者・折口信夫が見た曼陀羅から着想され、最終的にいつらめの描いた曼陀羅を映して終わるからだ。喜八郎は映画全体も曼陀羅として、「奈良の都」という形で彼の宇宙像を完成させたかったのではないか。いや、そうする必要があったのだろう。

悲運の大津皇子が怨霊となって藤原南家のいつらめの前に現れる。学才ある彼女は経文を唱えてその邪心を押し留め、そして心に観えたものを具現化しようとして糸を紡ぎ機を織り、そこに成仏の姿を描く。即ちこれ曼陀羅…。
古代日本の土着信仰と仏教がせめぎ合う物語であり、同時に芸術の根源を描く物語。折口はどう意図したか知らんけど、川本喜八郎は万葉的で大らかな主人公に自分の創作姿勢を重ねたかったろう。
それが伝わる画面だったから、無茶を承知で作ったのがわかるから、点は低くなるがオイラはこの作品に愛情を注がざるを得なくなる。3点のマンダラだけど、10点の姿は何となく見える。その10点の画を愛するが故に、ここでは正直に、3点を献じたい。

余談だが、全体の語り口は遠い世界の物事を語るように引きに引いていて、これは上田秋成晩年の作『春雨物語』の世界に似ている。1~2話の「天津処女」「血かたびら」は薬子の乱の話で、時代も精神的な背景も本作に近い。喜八郎はきっと意識していると思うし、何より秋成と同じ場所に立って古代を眺めてこその光景じゃないのか。
できればもう一作、春雨の一編を映像化してもらえれば…と願ってしまう、我侭な自分がいた。
エスねこさん [映画館(邦画)] 3点(2006-10-15 21:14:35)
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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 5.33点
000.00%
100.00%
200.00%
3133.33%
400.00%
5133.33%
600.00%
700.00%
8133.33%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 5.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 3.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人
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