2.まずグレンラガンを劇場版として公開すると聞いて、本当に大丈夫かと心配しましたが、その心配が見事に当たってしまいました。グレンラガンといえば強引なパワーアップ展開と、合体シーンなどのケレン味ある演出、そしてキャラクター達の過剰な迄の名乗り口上が魅力だと思っているのですが、如何せん映画となると強引なストーリー展開にはついていけなくなります。元は30分アニメということで、30分の終盤には無理くりパワーアップして敵をやっつけるという、云わば暗黙の"お約束"があったからこそ成り立っていたことを其のまま映画にシフトしてしまっているので、ハッキリ言えば展開に納得できないという状態に陥っていたと思います。これはテレビアニメ版を観ている私さえそう感じたので、一見さんにとってはもっと理解し難い展開だったのではないでしょうか。こういうテレビアニメの劇場版を観ていて常に感じることですが、その劇場版に映画としての付加価値を盛り込もうとするのなら、テレビアニメ版のファンへの過剰なサービス、演出、展開は避けて、一見さんにも理解できて楽しめる様なモノを目指した方が良いと思います。これが映画の歴史に残るとは絶対に言えない。だってファンの為の単なるエクスプロイテーションでしか無いですから。