1.《ネタバレ》 原作好きな組です。役者陣についてですが、まず滝口演ずる奥田瑛二が原作とイメージが違いすぎ。「三億円事件の真犯人を上げる事だけに執念を燃やし続ける定年間際のベテラン刑事・滝口」はもっとずんぐりむっくりのオヤジに演じさせるべき。例えば【渡辺てつ】とか、【でんでん】なんかが良かった(後者だと「ボディを透明にしろ!」とか言い出しそうで怖いけど笑)。奥田瑛二はちょっとスマート過ぎ。その滝口とバディを組む主人公の若手刑事役に渡辺謙の息子・渡辺大。最初は不安な感じだが、後半は結構しっくり来る。ここからは映画の内容。映画開始15分後くらいに3億円事件の回想シーンがあるのだが、ここで簡単に犯人の顔を見せてしまう演出には閉口。確かに「犯人は誰か?」という推理モノではないので犯人の顔をばらすのは重要ではないが、あまりにも簡単に出し過ぎ。前出するように「犯人は誰か?」というよりも、「犯人たちの犯行に至る背景」が作品の重しになるので、テレビの連続ドラマでじっくり描いてほしかった。全体的にケレン味の無い古臭い演出で、2000年代の刑事モノ映画とは思わずにいられなかった。「喋る事が許されなかった人たちの人生」と対比させるためにあるラストシーンは、あまりにも唐突で心に迫るモノはない。逆に褒める点は主人公の彼女役で元ヘルス嬢を演じた川村ゆきえ。おっぱいが大きかった。