1.《ネタバレ》 夏休みだけあってシネコンは大混雑。なのに「パシリム」はガラガラ(どうせみんな「風立ちぬ」とか観てんだろー)。
男どもが9割。マキシマムザホルモンみたいなカップルが最前列に一組。メガネ率高し(3D上映なんだからあたりまえだ)。
で、肝心の内容はというと、「ツッコミ上等!細けえこたぁいいんだよ!」という映画ではあります。でもそういう気にはなれないほど不満な点が多すぎました。
燃え(萌え)られそうな要素が沢山あるのに燃え(萌え)切らない不完全燃焼。
まずロボットがダサい。ガンダムやパトレイバー、エヴァンゲリオンといった日本のアニメの洗練されたデザインに慣れ親しんだ身としては、
重量感はあっても無骨すぎるリアリティ重視のイェーガーにはカッコ良さが感じられませんでした。戦闘ロボというより作業用ロボみたい。
次に怪獣がショボい。過去に作られたモンスター映画の領域から一歩も踏み出していないデザインはあまりにも新鮮味に欠けます。円谷プロや東宝の創意工夫に富んだデザインを見習って欲しい。
そしてなんといってもストーリーの弱さと人物描写の浅さには参りました。
葛藤や対立といった人間どうしのドラマを盛り込もうとはしているものの、人物関係や感情の移り変わりがあまりにもお座なりなので、グッとくる筈の場面が盛り上がらないし全然泣けない。
盛り上がらないといえば、クライマックスの深海でのバトルも酷すぎます。
場所が場所なので終始画面が暗く、ロボットや怪獣の位置関係が不明瞭なうえ、何をやっているのか全然わからない。
「カテゴリー5の大物だ!」といっても、周りに対比できるものがなく大きさが全く伝わらないし、アクション的なカタルシスも感じられない気の抜けたクライマックスにガッカリしました。
やはりラストバトルはダイナミックに地上(都市部)でやるべき。
「地上戦をやり過ぎると犠牲者が沢山出るから良くない」とかそんな配慮から?そんなこと気にするなら最初から作るなよ!ですよね。
なんだかいろいろと中途半端すぎて自分の思う「男の子の夢」映画とは程遠いかなあ。
印象に残ったのは例の看板と、上映後何故かフラフラになって帰るマキシマムザホルモンと、「日本のシーンなのに車のナンバーがアメリカ仕様ってwww」と
得意げに「俺、細かい所まで目ざとくチェックしてます」アピールのオタク二人組のウザさくらい。