1.《ネタバレ》 オリジナル版の完成度が高すぎるので、それを超えるのは無理だし、それならせめて日本ならではの独自性に期待したのだが、やっぱりダメだった。
なんていうか、一番駄目だなと感じたのは、物語の進みたい方向に沿って、CUBEそのものの仕掛けが都合良く利用されてる感じがして、そこが受け入れ難かった。
例えば、何故か扉が急に開かなくなるという設定や、いきなり部屋を2分して人を物理的に分けたりとか、さらにはトラップが無い部屋だと思ったら丁度人間同士の諍いが盛り上がる頃合いを見計らって発動してくれる空気を読みすぎる優しいトラップ、等々。
あと、かなりグレーゾーンというかこれは有りなのか?と思ったポイント。
主人公が見る過去のシーンがCUBE自体に投影されるシーン。大体あんな所にカメラがある訳無いのだから幻覚だったと言うのが真相だろうけど、それにしてはあの子供もまるで見たかのようの話していたのが引っ掛かった。
もう一つ、岡田将生演じる青年が感情を爆発させるとCUBE内の照明の色が変わるという設定。これも本当に起きているのだとしたら何故彼の時だけなのか謎過ぎる。
ここまではCUBEの仕組み自体にダメ出しをして来ましたが、ストーリー自体もあまりに陳腐だった。大人は嘘つきでずるいというテーマと、心に傷を負った若者達のドラマはあまりにもありきたりに感じてしまったし、すぐ邦画特有の感動路線に行こうとして、過去のシーンを多用するのもクドいなぁと思った。そういう展開にするのなら主人公だけじゃなくて他の人物も掘り下げるべきだろう。映像的にもCUBE内だけで完結させて欲しかったし。
原作(オリジナル版)では黒幕の正体が不明だから怖いのに、露骨に敵側のキャラ(だよね?)が出てきたので、途端に思惑が透けて見えてしまって、もう陳腐でしかなかった。
とにかく見ていて退屈で、早くどんどん人死なねぇかなぁと思いながら(笑)見ていましたが、Ꭱ指定どころかPG12にすらなっていない時点で生温い描写しか無いし、あんだけメジャー俳優集めてたらオリジナル見たく不条理に振り切った作品など期待できるはずもなく、まあこうなるよねぇという感じ?