11.《ネタバレ》 えーと、まず映画化された、というのを聞いて、原作から読みました。
原作には背筋が凍りそうなほどの恐怖と(いい意味での)後味の悪さを覚えました。
で、映画公開終了後、色んな批評サイトをめぐって見ると「ひどい」「意味わからん」
という批評がほとんどでした。でも、自分の目で見ないと本当のところはわからないだろう、と思って、ビデオで見ました。
確かにひどかったです。若槻役の内野聖陽、確かに見た目は原作の若槻っぽいんですけど、ビビリでヘタレ過ぎ。田中美里の黒沢恵も欝すぎ。
原作では繊細だけどもう少し元気な人です。
原作では頼りになる上司の葛西さんも120キロくらいある巨漢なのに、
映画だと見るからに頼りなさそうな石橋蓮司だし、
ヤクザ上がりの潰し屋三善茂に至っては全然怖そうじゃない小林薫だったり、
脚本とか以前に(脚本も良くはなかったですけど)キャスティングに問題があるなぁ、
と感じてしまいました。
それと原作の持ち味でもあった『普通に暮らしていながら、心に巨大な闇を抱えた
人間が見せる狂気』がうまく表現できていなかったように思います。
大竹しのぶさんにしても、西村雅彦さんにしても、あれではただの『電波な人』です。
原作は好きなんですが、映画としてはこの点数で。