3.《ネタバレ》 タイトルだけを聞くと、「アパートの怪しげなの隣人」やら、「壁に塗り込まれた死体」といったギミックを連想しそうになるけど、実際は、序盤のタロット占いで語られているように、少年少女の成長がテーマの根底にある作品。
それはそれでいいとしても、ホラーの中に時折見られるコメディ要素と、その「さじ加減」が、この作品を中途半端なものにしている。
命がけの脱出劇や、異常兄妹による監禁や殺人がリアルな割りに、何故か「トムとジェリー」ばりの「どたばたコメディ」のような軽いノリが入るので、せっかくの緊張感に水を注している。
また、壁の中や地下室でロクに食べ物も与えられないのに、何人も監禁されている人達が暮らしているとか、あれだけ人数がいるのに脱出できないのかとか、なんでゾンビみたいになってんだとか、突っ込み所が多いのも気になる。
要するに笑わせたいのか、怖がらせたいのか、はっきりしてくれってコト(笑)。全体的に真剣さとおふざけのバランスが取れていない中途半端な作品の典型。いつも思う事だけど、どんなジャンルにしても「やるならとことんやる」という姿勢が大事だね。