10.《ネタバレ》 最初に見たのは公開の数年後だったと思うが、その時は劇中のアイドルグループの印象が強烈だった。今ならともかく当時としてはダンスのスキルと外見的な年齢との間にギャップを感じ、それが何やら正体不明の連中という印象を生んだものと思われる。これに加えて劇中の事件との関連を疑わせるような扱いをされていたために、外見だけは人に見えても実は人の心など持ち合わせていない不気味な新生物のように感じられ、21世紀にはこういうのが世界中に蔓延していく予兆のようで空恐ろしい気がした。
今回新たに見直して思ったのは、終盤で数字や指の形に意味を見出そうとするのが陰謀論的で、かつある種の病気のように見えるということである。劇中ではそれで実際にコンタクトの道が開き、登場人物にとって何らかの結果をもたらしていたようだが、恐らくそれはカルトの世界でしかなく、普通人が入り込めるようなところではない。現実にはこの世界で起きることに客観的な意味などないのであって、逆にそれが世の中の真実だということが何気に表現されている気もしなくはなかった。
以上、映画全体を論理整合的に解釈するどころでないので断片的な印象だけである。再度見直すとまた違うことが見えるのかも知れないが、そう何度も見たいようなものでもなく、どちらかというと嫌いな映画である。
なお劇中の「デザート」の綴りが場面によって違っているが(DESSART/Desert/DESSRET)、ネット上にこれを解説したサイトがあって一応納得した。