2.《ネタバレ》 『法王の銀行家』という、ヴァチカン史上最大のスキャンダルといわれた題材の映画のDVDと一緒に借りたのだが、まあ、対照的な代物でした。方や聖職者の欲にまみれた醜聞、方や何もかも捨て去った聖人伝。でも、もともと宗教そのものに懐疑的な人間にとって、この『ブラザー・サン シスター・ムーン』に共感・感動するのは難しい。『法王~』の方が、人間臭さ全開で、(難解だが)正面から見ていられる。一方この『ブラザー~』は斜めになってしまうのだ。なぜか。この映画に描かれているフランチェスコの回心してからの行動は、聖人そのものだが、まったくもって「鬱陶しい」のである。それもこれも、私自身の心の裏返しなんでしょう。それだけ、私の心はねじくれまくっているのでしょう。つまり、全く感動できなかった、ということです。ラストシーン、教皇がひざまずいた後、再び金ぴかの法衣を纏い、頭上に金ぴかの帽子(?)をいただいたのは何なの? 足への接吻は、パフォーマンスか? ・・・とか、そういうことはもうどうでもよい。ただ、映像の美しさには、ゼフィレッリらしいなぁ、と感心。ドノヴァンの歌も美しい。つまり、中身など考えて見るより、その美しさを堪能すればよいのだ、と分かりました。でも、また見ることは・・・、なさそうだな。