1.《ネタバレ》 自殺未遂の巨乳女性が、ほぼ初対面の異性の前でいきなり自慰にふけり、絶頂を迎えることで生きる希望を取り戻すお話。言葉にすると凄いですな。特に不自由しない生活に対して感じる絶望とは、日々の生活の緩慢な永続感と希望を持てない未来の狭間から生まれてくる。「死ぬことにした」という無造作なタイトルはその気分を表現しているけれど、本作の導入はそれが表現できているとは思えず、出発点があやふやな為にその後の描写が迷走気味。都市生活を送っていた自殺未遂者がいきなり人里離れた精神病のサナトリウムで目を覚ますのはファンタジーの手法だけど、作品全体がファンタジーとしてまとめられている訳でもない。主人公以外の登場人物が抱える心の闇を積み重ねた上で、主人公がブレイクスルーする方法がオナニーって云うのはどうなんでしょう? すべては真木よう子を脱がせることから始まった企画のような印象で、それに執着してコケた感じです。その肝心のシーンの見応えも微妙でしたし…。原作は読んでませんが、そちらは相当に深いことが想像できる。だけど、睡眠薬で心臓心室の細胞が壊死するってホラを主人公が信じた時点で、映画の方はIQがガタ落ちした音が聞えました。