6.《ネタバレ》 いやはや、本作の松田優作を観るたびに、ほんとに日本映画界は惜しい俳優を若くして失ってしまったな、と痛感させられます。もうあの眼が怖すぎです。役作りで減量して奥歯を四本も抜いたそうで、こりゃ完全にロバート・デ・ニーロかクリスチャン・ベールの域に達しています。頭のおかしいキャラを演じさせたら右に出る者がいないデ・ニーロとの共通点を感じますし、彼はきっと長生きしていたら“日本のデ・ニーロ”と呼ばれる存在になったと思います。リップ・ヴァン・ウィンクルのシークエンスなんかは、演技と判っていても相手役の室田日出男は怖かったんじゃないかな。もっともこのシーンのカメラアングルを見ると、松田優作を正面からとらえる映像では向かい側の座席に座っているはずの室田日出男は映さないし、なんかそこには誰もいなくて松田が一人芝居しているようにも見えます。 しかし原作ものとしては?な部分だらけで、大藪春彦の『野獣死すべし』とはまったく別物だと言い切っても差し支えないでしょう。こりゃ大藪春彦が怒ったというのは当然でしょうけど、彼が怒ったのは脚本を書いた丸山昇一に対してで、当時メディア・ミックス戦略で大藪春彦作品を売りまくってくれた角川春樹にはさすがに何も言えなかったみたいです。監督がまた“カネがかかった映画になればなるほど粗が目立つ”村川透ですから、彼特有の雑な演出のおかげで冗長かつ意味不明なところが多すぎ。たしか泉谷しげるもちょっとだけ出ていたけど、ほとんどエキストラみたいなもんで、なんで彼を引っ張ってきたのか理解不能でした。この人はこういうのがカッコよいと確信しているけど、劇中何ヵ所かで使われている長回しシーンもセンスのなさが感じられ、相米慎二の足元にも及びません。 この映画のラストについては個人的には伊達邦彦の夢オチだったようにも取れる気がして、そりゃ大藪春彦が怒るのはムリもないと思いますよ。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-03-25 23:07:56) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 「俳優の限界」 後半の銀行シーンまではかなり退屈で、早送り併用でないとキツかった。でもあの細身で手足の長い長身は映えます。いつもの目を見開く狂気は食傷気味ですが。減量、電車のシーン等、主演は最高レベルの仕事をしたと思うけど、大部分は相当退屈だった。なぜ伊達はこんなことするのってのが分かってからの急に戦場??な展開も?。レンタルしたら後悔してたと思います。 映画って、人もお金も手間も沢山かかるし、監督も好きなように撮らせてもらえてるのかも分からないし、政治的な要素も絡んでくるから、面白いものを作るのは相当難しいんだなと痛感しました。主演の尽力があったけど正直、大部分は面白くなかったです。 【団スバーン】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-11-23 16:55:27) |
4.気が狂いまくって気持ち悪すぎる松田優作と鹿賀丈史の大暴れをなすすべくもなくぼんやりと眺めることしかできない異色作。観念的な、なんじゃこりゃー映画。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-07-27 02:08:32) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 松田優作は確かにすばらしかった。あの演技はそうそうできたものじゃない。あの眼はめちゃくちゃに怖かった。 でも、それ以外の本筋がホントどうでもいいような作りになっているのが「・・・」。個別のシーンではいいのもあるんだがなぁ。 【θ】さん [地上波(邦画)] 4点(2007-05-04 20:26:53) |
2.《ネタバレ》 松田優作の狂気じみた演技はとても良かった、けど全体を通してみると、あれ?なんでこんなシーンあったんだろ?ってなるとこがけっこーあって、話としてまとまってない気がした。だけど昔の邦画ってそういうの多いから気にしないで観たほうが楽しめるとは思いますが。あと鹿賀丈史があんな役やってたことにビックリでした。 【しっぽり】さん [地上波(邦画)] 4点(2007-04-21 15:37:38) |
1.鹿賀武史さんがアフロ頭のキレやすいチンピラをやってるのに驚き。松田さんの伊達は普段からアブナイ人ってムードをかもしてたので、一寸わざとらしいと思った記憶があります。可哀想なのは伊達に惚れても相手にされないばかりか、銀行強盗と化した彼に無造作に撃たれちゃう女役の小林麻美。で、すごいと思ったのはやっぱりあの列車での長い独白とラストの一人芝居なんですが・・何だか笑えるシーンでもありました。(逃亡先の洞穴で、アフロの鹿賀さんが女を**プしている傍らで延々と子供みたいな戦場ごっこ)しかしこの列車、子供の頃よく乗った感じの車両だったので懐かしかったなぁ。 【ひろほりとも】さん 4点(2003-10-28 11:01:15) |