4.《ネタバレ》 傑作ホラーといわれている「死霊のはらわた」が個人的に全く合わなかったので、無理を承知で鑑賞してみたが、やっぱり合わなかった。
極端につまらないとは思わないが、どうにもノリ切れない。
ホラーともコメディともいえない独特な路線がサム・ライミ監督の持ち味なのかもしれないが、自分にはどちらにも振り切れていないと感じられて、中途半端にも映った。
それほど怖くもなければ、それほど笑えるわけでもないという生煮え状態が続く。
追いつめられていくような心理的な圧迫もなく、単に“突然さ”と“音”だけで誤魔化しているのではないかと感じられるところもチラホラと見受けられる。
冒頭の車内バトルは楽しめたので、あのようなテンションが続けばもうちょっと楽しめたと思われるが、あとは基本的にはワンパターンにも感じられた。
作り物のグロさには耐性があるので、あの程度ではビクともしない。
冒頭を過ぎれば、肝心のババアとのバトルも盛り上がりはない(死体に髪を引っ張られるだけのシーンは“お約束”と笑えばいいのか)。
ラストの落としどころは誰でも分かるように製作されている。
それはそれで「そのネタをいつ明かしてくれるんだ!」というワクワクするような期待感を抱くことができるものの、ノリ切れない者にとっては「バレバレなんだよ。早くしろよ!」という“萎え”という感想も抱くことにも繋がる。
完全に見る者を選ぶ映画といえそうであり、自分はもちろん選ばれなかったようだ。
こういう作品を心から楽しむことができないのは、自分はちょっと損をしているかもしれない。