2.《ネタバレ》 最大の失敗は邦題かな?これは「運命」ではないですよ。選択することがテーマなのだから「運命」ではないと思うなぁ…。まぁ、かと言って原題が最適かどうかも怪しく、なんかもう少し気の利いた題名だったら、作品のイメージ違ったかも。
ま、その辺は脇に置いといて、原作未読なので何とも言えないところなんですけれどね、これは短編向きですよ。オーソドックスにSFチックに、地球や人類を創造した宇宙人が久しぶりに地球に寄ったら、環境破壊は起こすは、いつまでも戦争してるはで、僕たちはそんなことをさせるために君たちを創造したんじゃないんだからね!みたいな宇宙人の嘆きの物語にするのもいいけれど、その辺の背景的な部分は一切描かず、ただ淡々と、ボタンの存在によって炙り出される人間のあさはかさや愚かさをテーマにした方が良かったんじゃないかと思います。ちょっと欲張り過ぎたかも。
火星の話、稲妻の話、政府の秘密機関による陰謀の話… 果てはヒロインの失業と一家の経済的困窮とか、妹の結婚式とその「リハーサル」(?)とか、いろんな仕掛けを埋め込んであるのは解るんだけれど、その辺りは長編化のためのオマケみたいなもんに感じてしまうなぁ…。
謎の男の容貌のおどろおどろしさとか、中途半端にホラー仕立てだったりとか、このテーマをどの様に料理していくのかを十分に吟味することなく制作に臨んだ、ってのが凄く感じられ、非常に欲求不満なので高評価はできません。登場人物に感情移入も出来ない。残念と言うか何と言うか、原作の持つ方向性を著しく損ねた感じがしてならない作品。