8. ここでの評価の高さにビックリ。w どっからどう見てもB級映画なんだけどなぁ……。w
モラル規制の厳しいハリウッドに於いて、撮影当時12歳のクロエ・グレース・モレッツが猥語を連発し、バッタバッタと人を殺していくというのが話題になって口コミで人気の出た本作。
確かに弱者が強面の悪人をなぎ倒すというのは胸が空くが、実のところなぎ倒してるのは元警官のビッグ・ダディと格闘エリートの娘ヒット・ガールの二人。しかも銃や刃物で殺しまくる。う~ん、でもそれって犯罪だよね。正義じゃないよね。途中、ニコラス・ケイジを止めに来る元相棒の黒人警官がとってもまともで、そこだけが「ああ、制作側も一応分かってるんだな」と良心の残滓を感じる。w
んでもって一方、肝心のキック・アスはやられっ放し。
これがまず1番大きな問題点。デイブ=キック・アスの物語として始まったこのストーリーが、途中からミンディ父娘の話にすり替わり、デイブはいつの間にか主役から準主役へと脇に追いやられていく。つまり、当初の主人公のデイブに感情移入して観ている観客は、途中でいったん放り出され、ミンディへとシフトチェンジを強いられる。
そして紆余曲折あってクライマックス。どうにも間が悪い。いや、テンポは良いんだ。サクサクと展開して話は進むのだが、間が悪い。焦らし方が下手。
追い込まれたヒット・ガールを助けにキック・アスが出てくるまでの、緊張感とは違う、何とも言えない間の悪さ。
いずれにせよ、思いがけず一流扱いされてしまったが、結局は散りばめられた小ネタや下ネタを楽しむB級映画。
バットマンやスパイダーマン、スーパーマンなどの映画へのオマージュは数知れず。そもそもこの映画の作り自体がスパイダーマンをなぞってるし、悪者の息子が同級生で組織を継いで復讐を誓うなんて、まんまスパイダーマン。作り手も、そういったマニアックな楽しみ方をする映画として作ったんじゃないのかなぁ。