6.《ネタバレ》 ダーティハリー全5作の中で最も違和感を持った作品です。本作はハリー・キャラハンという主人公の他にもう1人、ソンドラ・ロックももう1人の主人公といった立ち位置にいます。
忘れることなどできない過去の事件の犯人に復讐する。犯人どもを1人1人撃ち殺していく様は、女版「狼よさらば」シリーズのよう。そこにハリーとのロマンスの要素が加わってくるのですが、イーストウッド自らが監督・製作を兼務して、どうしてもこのシリーズで当時パートナーであったソンドラと共演したかったのでしょうか…。
ラストの夜の遊園地。オートマグ片手に暗闇の中現れるハリー。これはもう、西部劇で善人のピンチに現れるガンマンのようなカッコよさ。しかし本作はソンドラと、ソンドラを狙う悪党どもと、どちらも法を犯してしまっている。そしてその女に惚れてしまったという設定が刑事であるハリーのポジションを難しくしてしまいました。