1.暗めのトーンを基調とした映像センスは抜群に良い。
更には、無駄な説明やセリフを排除し、映像で語ろうとする姿勢は、まさに映画的である。
それに対し、音の使い方というか拾い方が、どうにも私の好みに合わなかった。
作品の中で聞こえてくる様々な音という音が、耳障りに感じた。
主人公を演じた少年は、確かにインパクトはある。
だが、好感は持てず。
おそらく、この少年がうんぬんではなく、この少年に演技指導をし、その映画世界を作り上げた監督に問題がありそうだ。
この監督、おそらく少し馬鹿である。
だけど、すごく映画の勉強をしていそうだ。
映像センス、つまり芸術的な部分は優れているが、どうにも頭が悪い。
頭が悪いと、主人公を演じた少年も馬鹿に見える。
馬鹿だからイライラしてくるし、この少年に感情移入や同情しようとする気持ちが湧いてこない。
以上、この作品を観て感じたことを、率直に書いてみたが、単なる駄作だとは思っていない。
むしろ、この監督の他の作品を観てみたいという、好奇心が湧いてくる。
映像センスの優れた、愛すべき馬鹿作品。