4.《ネタバレ》 「脚本家のアタマの限界が登場人物の知能程度の限界」っていうのをよーく実感させてくれる、登場人物全員バカ、みたいな映画でした。
あまりに無能な警察に対してヒロインは主に「とっさに嘘をつく」という技で対抗してゆきますが、もちろん、そこにサスペンスを盛り上げてゆくための巧妙なテクニックが存在している訳ではなく、その場限りの見せ場の消化行為が作用するだけ。
この、その場限りっぷりは多くの登場人物と多くのエピソードに及びます。意味ありげな、思わせぶりな、伏線のように思えながら、実はただそこに転がしといただけ、みたいなキャラとエピソードと映像がゴロゴロ。それらはミスリードと言うレベルの作用をしている訳ではありません。
誰かの視線のように思えるショットや被写体を遮蔽物でかなり限定的に捉えたショット、それらに意味があるのかと言えば、ただカッコだけ。何かありそうな雰囲気作りに対しては機能していても、話の内容に対しては、ちーとも機能していません。
何しろ最終的にはヒロインの言動は妄想か現実か?って事のみがミステリーとして機能していただけで、犯人の正体とか行動とか警察の動きとかは一切重要ではないという(辛うじてヒロインが犯人に近付いてゆくための行動とそれに絡むキャラはとても都合のいい形で存在しておりますが)。
あれやこれやと連想される映画は数あれど、この映画のオリジナルな面白さとしては激しい思い込みに支配されたヒロインの言動の数々くらいのもので、でもそれすらもアマンダ主演作の中にそういうの、あったよね、って考えると、ちょっとシンドかったなぁ。
でも結構な数の登場人物の殆どが意味なし、って点では斬新だったかも。