2.うーん、この作品を見て思ったのは、名作ってやっぱり2種類あるんだってこと。
ひとつは何度観ても惹きつけられるまさに普遍的な価値をもった名作であり、そしてもうひとつは、その当時としては斬新で演劇史上画期的な偉業を成し遂げたとされる発展のためになくてはならない存在としての名作。
もちろん、両方とも無くてはならない存在なのだと思うのだが、やっぱり私は何度でも楽しめるっていう前者こそを名作と呼びたいと思う。
で、本作についてだが、人間の脆さや醜さをこれでもかと痛烈に暴き立てるということは、演劇史上画期的な金字塔だったのだろうとは思うのだけれど、内面の醜さを描くことが最早極普通の現代においてはとりたてて何ともいえない作品であるといわざるを得ない。ま、早い話が一度観れば十分という、映像美も脚本の面白さもない作品だった。ヴィヴィアン・リーもスカーレットのときのほうがずっと楽しませてもらったよ、悪いけど・・・
もちろんヘタクソな演技なんて言語道断だけどだからって上手きゃいいってもんでもないでしょ。映画は役者の演技力披露大会ではないし、観客を楽しませてなんぼのものなんだと、改めて痛感させてくれるような作品。多分二度と観ることはないだろう。