4.実際に起こった事件をモデルにしているようで、
主役の水谷豊と母親役の市原悦子が好演している。特に市原は出演シーンは少ないながらも、
いかにも息子を溺愛していたという感じが伝わってきて、観てて怖いぐらいの熱演。
ストーリーのほうは、最初から主人公の人間像だけを描きたかったのか、
今一つピンとこない部分も。なぜ両親は恋人との交際にそれほど反対したのか。
原作のタイトルが「蛇淫」、実際の主人公の恋人が風俗嬢だったということを考慮すれば、
物語の一番のポイントになっているはずなのだが、彼女側の描写は不明瞭でわかりづらい。
その恋人役は原田美枝子が演じており、瑞々しいヌードまで披露してくれるも、
こちらはほとんど素人演技でちょっとお粗末。いいシーンはあるんだけど、ラストもう~ん。
水谷は元々性格俳優を目指していたようだが、いい役者だなと再認識させてくれた作品だった。