6.《ネタバレ》 往年の名女優の若かりしときの記憶をたどるドキュメンタリー?作りのストーリー。彼女の過去をそれまでの出演作を織り交ぜながら振り返っていくという形。いろんな役になりきりながら、ある一人の男性を追うという演出をひたすら繰り返します。正直このスタイルが良かったと言えるかというと、私には合いませんでした。いろんな役に切り替えながら多様に見せようとしていますが、結局やっていることはずっと千代子が男を追って会えず、また男を追って会えず、、、が何度も何度も繰り返されます。場面や描写が変わるだけで根元のストーリーがそこからほとんど進まないため、けっこう飽きてきます。映画自体も80分程度のかなり短めな映画なのに、悪い意味でけっこう長く感じました。
結局なんだったんだろうという感じですね。このドキュメンタリーの監督さんのように、その女優さんに心底惚れているような人じゃないとあまり楽しくなかったんではないでしょうか。当然この映画を見た人たちはこの千代子という人に一ミリも思い入れがない状態から始まっているので、なかなか難しかったように思います。結局あの鍵は何だったのか、あの絵には何が描かれたのか。そこは最後まで明らかにされず、そしてあのタイミングで千代子さんも亡くなってしまう。逆にシンプルなストーリーだなと思いました。80分という短い時間のうち50〜60分程を上述のような同じパターンの繰り返しに費やしてしまったことはワタシ的には失敗だったかなと感じました。