6.《ネタバレ》 デニーロが、いつものデニーロだったりするのは気にならないが、息子のキャラクターに共感しづらいのが難点と感じる。ヤク中で空き巣のろくでなしだが、一点だけでも「こいつは立ち直れるかも」と思わせる人間性を見せて欲しかった。これが全く描かれないため、デニーロがいかに奔走しようが、他人事に感じてしまう。脚本の致命的欠点と思える。
また、デニーロの父も「営利誘拐はしたが、子供は殺していない」という中途半端な冤罪で、観客を戸惑わせる。
子供と父親、この二人の人物像が、見る側のスタンス、そしてデニーロの立ち位置をぼんやりしたものにしていると感じる。
また、『容疑者』という邦題に始まり、予告編やDVDパッケージのあらすじ等、意図的に内容を誤解させる作りになっている点に、悪質さを感じる。配給側の姿勢に問題あり。