69.《ネタバレ》 ~Rise of the Machines~マシーンの台頭。
あの完璧な満足度を与えてくれた名作の続編に、更に続編を作るのか。
どう考えても誰かが全力で止めるべきだろう。あの物語の続きを、誰が観たいと思ったんだろう。
ネットのおかげで、眉をひそめたくなる裏話、大人の事情がたくさん目に付く。知れば知るほど存在意義がわからない作品だ。
この作品の影響で、ターミネーター・シリーズは“別なアプローチの作品”や“パラレル・ワールド”“仕切り直し”“2の正当な続編”なんてものが作られ、ファンを困らせることになった。
改良型ターミネーターT-850。お笑い要素の増えてしまった登場に不安になったが、シュワちゃんから感じる安定感は流石。このT-850が未来のジョンを殺したって設定は上手だと思った。
純粋な液体金属T-1000が敵として完璧だったために、今回のT-X(骨格を液体金属でコーティング)は、前より退化してしまったように感じる。
しかもベースが女の子だから強敵感が薄く、無言でシュワと戦うさまは、まるで兄妹喧嘩。「お兄ちゃん!いい加減にしないと、怒るよ!」つい応援したくなってしまうほどだった。
多くの方のご指摘の通り、この作品最大の敗因は、ニック・スタールをジョン・コナーにしたことだろう。エドワード・ファーロングを出せない事情があったにせよ、ニックは私たちの好きなジョン・コナーじゃなかった。
3のジョンは世界を救うカリスマではなく、コソコソと日陰に生きる無職の空き巣…落ちぶれルートのストーリーで行くなら、ジョン役は本人エドワードを出さないと収まりが着かなかったと思う。顔も似てない、繊細な美しさもないニックが、只々可哀想過ぎる。
たまたま盗みに入った動物病院がかつての同級生ケイトの持ち物で、ケイトはT-Xのターゲットでジョンの未来の妻。ケイトの父親はスカイネット開発の最高責任者…狭すぎる世界観とご都合主義。
避けられない核戦争。審判の日を回避して、それこそ未来を変えて、安心して死んでいったサラが浮かばれない。
2の頃は珍しかったCG技術も向上し、滑らかで見応えのある映像は増えた。ターミネーターのダメージ表現は凄かったし、CGばかりに頼らないクレーン車のアクションも凄いなって思った。けど…
こんなの、二度と見るまい。…と思っていたけど、久しぶりに見るとそこそこ面白かった。DVDの特典映像、キャンディ軍曹は新鮮。