2.《ネタバレ》 冒頭で喜劇派と悲劇派、2人の作家がバーで議論を戦わせている。そして2人が同じ状況で喜劇と悲劇のストーリーを語り始める。他のアレン作品でも見られる、こうした登場人物がその場にいない、あるいは架空の誰かのストーリーを語る映画。陽気な理屈っぽさがあるアレンらしい作品と言える。しかし喜劇と悲劇、2つのストーリーを見せるのですが100分ではちょっと時間が足らなかったか。本作でのアレンの主張は「人生は短いし、いつ突然そのエンディングが訪れるかも分からない。だから楽しもう。」あるいは「ある状況でその先の展開は喜劇になるか悲劇になるか、それは自分次第。」というところでしょうか。作品の語り部である作家がほとんど冒頭の問題提起とラストの結論にしか登場しません。2つのストーリーのラストが適当で、本作のラストの作家の台詞が結論付けをしており、作品の大半を占める2つのストーリー自体にそれ程意味が感じられなかったのが残念。