3.《ネタバレ》 全編に散りばめられた洒落っ気のある小ネタが見どころ。
臭いつむじ、岸辺一徳、時計屋のカンフーなど、ストーリーの本筋とはあまり関係ない小ネタも多いが面白い。
あるあるネタも多く、思わずニヤッとさせられる。
登場するのはクセのある人物が多くてユニーク。
擬似家族の体験でカレーを食べながら泣く文哉。
息子を小さい時に亡くしたらしい福原と、親に捨てられた文哉が、本当の父子のように見えて微笑ましい。
福原と文哉の散歩は、福原が妻を殺した後というような緊迫感や暗さはない。
終始ゆるくて遊び心を感じる映画で、独特の雰囲気に包まれている。
随所に感じる会話のセンスはすばらしいが、ストーリーの起伏で巻き込まれる感じはない。
まさに散歩と同じようなゆるさと遊び心を持つ映画なので、それが性に合わないとダレてしまう。
散歩するようなつもりで見ると、ちょうど波長が合う映画だろう。
逆にいえば、散歩したくないときに無理やり散歩させられている気分になるかもしれない。