2.原作は未読。伊坂作品のいかなる作品の1ページも読んだことはない。
原作未読のためか、終始疎外感を覚えてしまった。
学生が製作に関わっているようであり、自分の世界を構築することにこだわりすぎて、観客の目を意識するまでには至らなかったようだ。
しかし、それほど嫌いではないテイストにはなっている。
原作を読んでいないので何ともいえないが、調理するのは難しい題材だったのだろうか。
もう少し練り込めばもうちょっと良い作品に仕上がった気がする。
また、個別エピソード自体理解できないものがないが、あまりにも漠然かつふんわりとしすぎてしまったか。
全体を通して、何を伝えたいのか完全にボヤけてしまった。
4人の監督がそれぞれを受け持っているようなので、バランスも少々悪くなっている。
黒澤編のような分かりやすい作品にするのも何か違和感を覚えてしまう。
そのアンバランスさが本作の“味”のようなものにもなっているが、一般受けするのは難しいだろう。