3.《ネタバレ》 史実の悲劇をひっくり返してハッピーエンドにした作品らしいのですが、それにしてもいろいろ甘くて拍子抜けした感じ。
最初の脱走も難なく成功してしまうし、帰還しても独房に入れられるのみ。しかも仲間を無理やり骨折させて簡単に出所できてしまうあたり、格差社会の勝ち組はいいなと羨望せずにはいられません。
親善試合はともかく、気になるのはその後です。どさくさに紛れて逃走したことになっているようですが、それで逃げ切れるとはとても思えません。しかも控室の穴を発見すれば、コケにされたドイツ側も威信をかけてレジスタンスともども行方を追うはずです。ハッピーエンドで終わるはずがない、とは考えすぎでしょうか。
そもそも「友好親善」をアピールしたいなら、収容所で手厚く〝放牧〟したり、わざわざ反感を買っているパリで試合を企画したりするより、とっとと捕虜を送還・交換したほうが合理的だと思うんですけどね。このあたり、どうも腑に落ちません。
それと、やはりこの当時のスタローンは、仲間内でワイワイやるより、たった一人で機関銃を撃ちまくるか、リングに立っているほうが似合っている気がします。